頭痛であることを“ゆるく共有する”アプリ「頭痛仲間」 β版がリリース

他人に伝えづらい頭痛の自覚症状を、アプリ上で共有することでストレスを軽減させることを狙いとしたサービス開発が進んでいる。共有することも一つの策だが、医療機関を受診することも大切な手段であることをお忘れなく。

頭痛に特化した健康管理アプリ「頭痛仲間」のβ版が先月27日にリリースされた。現在はウェブサイト上で利用できる。「積読ハウマッチ」を提供している合同会社めもらば(東京都練馬区)が開発した。頭痛の有無の記録に加え、当アプリを使用している他のユーザーの中に頭痛の自覚症状がある場合、そのユーザー数がアプリ上に表示される。登録ユーザー同士で頭痛の症状を認識し合うことで、精神的ストレスを軽減する狙いだ。

出典:めもらば

頭痛仲間はTwitterの認証によりアカウント登録をすることができる。現在地や希望する地点を登録することで、そのエリアの天気予報と気圧が表示される。ユーザーが自ら登録する頭痛症状の有無と気圧の変化とを可視化することができる。ただし、頭痛の要因は必ずしも気圧だけに限らないことに留意されたい。
現在提供されているβ版では、頭痛状況の記録と全体の統計、気圧の変化のグラフ、天気情報を表示することが可能となっている。正式リリースでは「ひとことメモや頭痛以外の体調の記録」と「コメント投稿によるゆるいソーシャル機能」を搭載するという。まだ正式リリースのスケジュールは公開されていない。

出典:めもらば

頭痛仲間
β版ページ:http://zutsuu.memory-lovers.com/
Twitter:@zutsuu_friends

母子手帳アプリ「母子モ」大分市など12市町村での提供を開始 九州を中心に拡充進む

母子手帳アプリ「母子モ」の導入が進んでいる。10月に入り全国で12の市町村が提供を開始した。経済対策ではカバーしきれないソフトの部分をアプリで補う、その結果が導入数に現れている。

エムティーアイが提供する母子手帳アプリ「母子モ」が、今月より新たに12の市町村で導入された。妊娠・出産・育児に関する保健師からのアドバイスを受け取ることができたり、自治体が配信する地域情報なども提供される。「母子モ」を用いることで、母子健康手帳を「保護者の記録」としてだけでなく、「育児日記」としての役割を持たせることが可能だ。

10月1日発表分 導入自治体とアプリ名一覧(編集部作成)

今回発表となった12の市町村では、いずれも独自の子育て施策を行ってきており、子育て世代への積極支援の一環とみられる。例えば熊本県玉名郡玉東町では、チャイルドシートの3ヶ月無料貸し出しや給食費の補助、さらにインフルエンザ予防接種は0歳から中学3年生まで全額助成するだけでなく、その保護者も1000円の補助を行うなど、経済支援策を次々と行っている。同日から提供開始をしたオンライン相談サービスでは、町の職員や助産師、保健師に対して妊娠や育児に関する相談ができるようになるため、ソフト面での支援強化が期待される。

「母子モ」アプリ概要
月額料金(税込):無料
アクセス方法:
<アプリ>App Store、Google Playで『母子モ』で検索(対応OS: Android 4.2以上、iOS 9.0以上)
<Webブラウザ>https://www.mchh.jp にアクセス

健康管理アプリ「CARADAお薬手帳」リニューアルリリース 調剤予約や服薬のリマインドも 連携薬局も増加中

オンライン服薬の流れが加速している。新アプリのローンチやリニューアルなどが進み、スマートフォンを活用した健康管理のできる医療機関が増加。今回は薬局との連携に強いエムティーアイ社がアプリリニューアルを行った。

エムティーアイが運営するアプリ「CARADA」がリニューアルし、「CARADA お薬手帳」として28日にリリースされた。調剤予約や服用のアラート、ユーザー以外の家族の管理もすることができる。また導入薬局も都内では120を超えるなど、徐々に浸透している模様だ。

出典:エムティーアイ

調剤を予約する際に必要な問診票のデータ送信機能も搭載

ことし9月1日に改正薬機法が施行され、「調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると薬剤師が認める場合には、服薬期間中のフォローアップが義務」となり、薬局側は患者の状態に合わせた服薬指導の徹底がより強く求められている。CARADAお薬手帳では、既往歴や副作用などの情報を確認できるようになっており、細かく患者個々人に合わせた服薬指導が実現できるとしている。

主な機能は以下のとおり。
・調剤予約…トップ画面からすぐに調剤予約ができ、あわせて既往歴や副作用歴、アレルギーなどの情報も送ることが可能
・予約リマインド…調剤予約後、トップ画面に予約日時をリマインド通知
・薬局連携…事前に薬局と連携することで、来店時に処方せん情報が自動登録され、毎回の登録の手間などが削減
・お薬手帳…市販薬と処方薬で分けて管理可能。医療機関名からの絞り込みにも対応
・服薬記録/リマインド…服薬時間を設定することでリマインド通知され、飲み忘れ防止をサポート
・家族の管理…自分だけではなく家族の情報も登録でき、家族のお薬管理も可能(人数制限なし)

CARADAお薬手帳:https://www.carada.jp/pharmacy/customer/

千葉大学医学部附属病院が健康管理共有アプリの提供を開始

国立大学の医学部附属病院が健康管理をはじめとする各種データ管理をするアプリの運用を開始した。テレビCMで見かけることの多いTISインテックグループとの共同開発。医療機関の導入はどこまで進むのか。

千葉大学医学部附属病院は、健康管理と情報共有システム「ヘルスケアパスポート」を28日より開始した。2年前まで運用していた同システム「SHACHI」が名称を変更、リニューアルしたもの。病院側の電子カルテと患者側の手入力による健康情報の管理機能から運用を始め、最終的にはお薬手帳や衛生検査、クラウド型の電子カルテにも対応していくという。

出典:千葉大学医学部附属病院

ヘルスケアパスポートでは、日々取得するバイタルや生活習慣などをメモにして記録。医療機関での受診の際にそれまでの体調に関するデータを提供することで、医療従事者が診察室外での生活リズムなどを把握し、診察することができるようになる。
なお、編集部でアカウントを作成してみたところ、登録の際はメールアドレスの認証と携帯電話番号の認証の2要素認証を行う必要があることがわかった。

アカウント登録後の初期画面。「バイタル」では日々の健康データを、「問診メモ」では自分で認識している健康情報を記録できる(一部加工しています)

ヘルスケアパスポートの前身となる「SHACHI」は2016年5月に運用を開始したが、セキュリティ上の観点から2年後の2018年に停止していた。再スタートを切ったヘルスケアパスポートはTIS社との協業により開発した。

出典:千葉大学医学部附属病院

千葉大学医学部附属病院:https://www.ho.chiba-u.ac.jp/index.html
TIS:https://www.tis.jp/service_solution/healthcare-passport/

病院長によるセカンドオピニオン外来をオンラインで 週2日実施 16日から44,000円で

国立循環器病研究センターは14日、オンラインによるセカンドオピニオン外来の予約受付を開始。外来診療はあす16日からで、毎週水曜と木曜に実施する。病院長自らが担当し、料金は1回あたり税込み44,000円。

国立循環器病研究センター(以下、国循)は14日、メドレーの提供するオンライン診療システム「CLINICS」を用いて、オンラインによるセカンドオピニオン外来の予約受付を開始した。外来診療はあす16日からで、毎週水曜と木曜に実施する。飯原弘二 病院長が担当し、料金は1回あたり税込み44,000円。

セカンドオピニオン外来の診察イメージ(画像:国立循環器病研究センター)

診察予約のためには、メドレーが提供する「CLINICS」を経由する必要がある。Webからアカウント登録をするか、スマートフォン上でアプリをダウンロードすることで手続きをすることができる(CLINICS:https://clinics.medley.life/)。ただし、紹介状などの書類はデータ送付ではなく郵送する必要があるので注意したい。診察後の支払いは、アカウント上に登録されたクレジットカードで行われる。

脳卒中と循環器病の制圧と対策に取り組んでいる国循が、遠方にいてもセカンドオピニオンを希望する患者に対応するための一環として始める。平成28年の厚労省の調査によると、要介護の原因となる疾病のうち脳卒中と循環器病が実に22.2%もの割合を占めており、1位の認知症(24.8%)に迫る勢いだ。

受付・お問い合わせ先(患者・家族向け)
国立循環器病研究センター 専門医療連携室
電話:06-6170-1361(直通)
受付時間:9:00から16:00(平日)

国立循環器病研究センター:http://www.ncvc.go.jp/

メドレー:https://www.medley.jp/

腸活支援アプリ「ウンログ」若年女性を中心にダウンロード増

観便で健康管理を行うアプリ「ウンログ」のダウンロード数が70万を突破した。20−30代の女性を中心としてユーザーが増加。「うんち×エンターテイメントで楽しく健康管理やセルフケアができる世界」が広がっている。

観便で健康管理を行うアプリ「ウンログ」のダウンロード数が70万を突破した。2012年のリリース以降、20−30代の女性を中心としてユーザーが増加。運営するウンログ社(渋谷区)の目指す「うんち×エンターテイメントで楽しく健康管理やセルフケアができる世界」が、順調に広がっているようだ。

ウンログは、イギリスの医学博士が提唱した大便の分類指標「ブリストルスケール」を用いている。アプリ上で形状、色、量、ニオイ、残便感の有無といった項目を入力し、記録をしていく。無料で使用できる点に加え、かつ記録にかかる時間はわずか10秒程度と手間いらずであることも、利用者増加の背景として考えられる。

健康情報の数値化とその管理活用を表すPHR(パーソナルヘルスレコーディング)は、厚生労働省が2019年から推進しているが、アプリケーションなどのモバイルサービスはアクティブ率の低さが課題とされている。ハードウェアの業界では4日、アップルウォッチが医療機器の承認を取得し、お茶の水循環器内科は「アップルウォッチ外来」を設立したことは記憶に新しい。デバイスがほぼ自動的にデータを取得する方法と、「ウンログ」のような能動的に記録をとる方法とでは、健康管理に対するアプローチは全く異なるため、今後のユーザー動向が注目される。

ウンログ サービスサイト:https://unlog.co.jp/unlog/

母子手帳アプリ「母子モ」長崎県西海市で利用可能に 九州初のオンライン相談サービスの導入も

全国200以上の自治体が導入している母子手帳アプリ「母子モ」を長崎県西海市が導入。九州初となるオンライン相談サービスを取り入れた。

母子手帳アプリ「母子モ」を長崎県西海市が導入し、7日から「さいかい子育て応援アプリBabyぐっど」として提供を開始した。全国200以上の自治体で導入している同アプリでは、九州初となるアプリ内オンライン相談サービスを行い、コロナ禍で訪問が難しくなった妊産婦や乳幼児とその保護者との面談をするという。

アプリの機能は以下のとおり。

【自治体から提供される各種制度・サービスの案内】
●子ども医療費助成制度・児童手当など、妊娠・育児時期にあった各種補助制度の情報や手続き方法の案内
●自治体が配信する各種お知らせ
【オンライン化による子育て支援】
●「新生児訪問事業」の面談をオンラインで実施
【記録・管理】
●妊娠中の体調・体重記録(グラフ化)
●胎児や子どもの成長記録(グラフ化)
●身長体重曲線による肥満・やせの程度の確認(グラフ化)
●予防接種 : 標準接種日の自動表示、接種予定・実績管理、
受け忘れ防止アラート
●健診情報 : 妊婦や子どもの健康診断データを記録
【情報提供・アドバイス】
●出産・育児に関する基礎情報
●妊娠週数や子どもの月齢に合わせた知識やアドバイス
●沐浴や離乳食の作り方などの動画
●周辺施設の案内(病院、幼稚園・保育園、公園、子育て施設など)
【育児日記:できたよ記念日】
●子どもの成長を、写真と一緒に記録
●記念日には日付と言葉が入った“初めての記念日テンプレート”で写真をアップ(初めての…胎動/キック/寝がえり/おすわり/ハイハイ/ひとり立ち/ひとり歩き など約150項目の記録が可能)
【データ共有】
●子どもの成長記録や健康データを、家族のスマートフォンなどでも閲覧でき、SNSにも投稿可能

母子手帳アプリ「母子モ」は、株式会社エムティーアイ(東京都新宿区)の提供する東証一部上場企業。今月に入り、西海市以外にも茨城県常総市、福井県坂井市、宮城県大和町でも提供が始まっている。またオンライン相談サービスもこれまでに青森県弘前市と目黒区で導入されており、コロナ禍で妊産婦をはじめとする住民との接触機会減少を懸念する自治体の努力がうかがえる。

長崎県西海市:https://www.city.saikai.nagasaki.jp/

エムティーアイ:https://www.mti.co.jp/