三越伊勢丹の女性従業員向けに検診の理解向上セミナーを開催 ファムメディコ

企業向けの疾病予防コンサルティングが増加している。女性従業員の多い小売業の一つでもある百貨店でも、導入に向けた動きが始まっているようだ。

医療コンサルティングなどを行うファムメディコは10日、三越伊勢丹の女性従業員50名に向けたオンラインセミナーを開催し、子宮・大腸・乳房の各種検査そのものの認知向上と病気に関する基礎知識についてのレクチャーを行った。コロナ禍による受診控えが健康診断にも影響しているとされる中で、企業が従業員向けに情報と機会を提供する場が増えていく流れは今後も続くと見られる。

ファムメディコが936人に行った調査によると、生理痛・PMS・月経過多といった月経随伴症状を抱えている人の6割以上が仕事や生活に支障が出ており、さらにその症状を抱えているにもかかわらず9割が普段通りの仕事をするという結果が出たという。

出典:ファムメディコ

2018年4月現在、三越伊勢丹の従業員数は7798人で、そのうち女性が5181人と6割を超える。今回実施したオンラインセミナーへの参加者50人の内訳は明らかになっていないが、全体の1%にも及んでおらず、今後も継続的に行っていく必要がありそうだ。

ファムメディコはことし9月に設立。ライフスタイルの変化による婦人科疾患の増加、疾病に関するリテラシーの低さ、働きやすい就労環境の未整備といった課題解決策として、コンサルティングや企画、リサーチなどを行うことを目的としている。さらに子宮・大腸・乳房を対象とした検査の総称としての「YOU健診」を提唱し、その啓発活動をしていくという。

出典:ファムメディコ

ファムメディコ:https://www.f-med.jp/

正しく不妊治療のことを学ぶ 専門家による企業向けのオンラインセミナーを開始 プレ・マタハラを防ぐために

「企業が」不妊治療に対する正しい理解をする、という視点のオンラインセミナーが始まる。福利厚生の一環としてはもちろん、正しい相互理解の促進による従業員エンゲージメント向上が期待される。

不妊治療のデータ検索サービス「cooromi」を提供するvivolaは、企業向けに不妊治療セミナーを始める。不妊治療と仕事の両立をサポートするNPO法人フォレシアと、胚培養士の3者が講演する。企業、不妊治療患者、医療現場のそれぞれの観点から理解啓発を行い、従業員への福利厚生をはじめとする制度設計に役立ててもらうことがねらい。

登壇者一覧。出典:vivola

cocoromiは体外受精で妊娠した妊産婦のデータに基づく、統計的な治療検索サービスで、ウェブとアプリの両方から利用することができる。主に治療にかかる費用と期間、体外受精そのものの概要などを公開しており、治療を検討している人にとっての参考指標になっている。同社が体外受精経験のある夫婦300組へ実施したアンケートでは、治療方法を理解していないまま治療を続けていたと回答した夫婦が7割にも及んでいるといい、高額医療費が発生するにもかかわらず正しい理解が及んでいない可能性が高い。

NPO法人Fineの2017年の調査によると、不妊治療をきっかけに勤め先を退職する事例が5人に1人の割合でいることがわかっている。同法人の松本 亜樹子理事長は神奈川県への寄稿文の中で、「不妊治療は女性の生理周期に合わせて注射や投薬が行われるため、突発的な通院が必要で、先の予定が立てられない」「前回同様の治療を行なっていても、その時の体調により、ホルモン剤の効き目が変わってくるので、頻繁な通院も必要」と述べており、職場の理解なしに不妊治療を行うことは現実的にとても高いハードルであることがわかる。

フォレシアでは、完全匿名で相談できるLINEチャットボットのサービスも展開しており、不妊治療の専門家が常駐し、24時間対応している。概要は以下のとおり。

LINE完全匿名チャットボットサービスの概要。出典:vivola

オンラインセミナー問い合わせ(メール):contact@forecia-jp.com
NPO法人フォレシア:https://forecia-total-support.com/