空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」にプラズマクラスターイオンを照射すると、ウイルス粒子の数が90%以上減少する、そんな実証結果がシャープから発表された。長崎大学と島根大学との共同で行われた実証実験の結果によるもので、過去には2004年の「ネココロナウイルス」、2005年の「SARSコロナウイルス(SARS-CoV)」に対する効果も実証、発表されている。
プラズマクラスターイオンは、シャープが独自にもつ空気浄化技術で、家電量販店で販売されている同社製の空気清浄機やエアコン、冷蔵庫など数多くの製品に搭載されている。その構造は、まず空気中の水分子と酸素分子を電気的に分解。同時に空中に放出された水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンが細菌・カビ・ウイルス・アレルゲンなどの表面で結合し、化学反応などにより働きを抑制するというもの。なお、この実証実験は長崎大学の感染症共同研究拠点・熱帯医学研究所で行われた。
同拠点の安田二朗教授は、同社のプレスリリースで次のようにコメントしている。
“付着したウイルスへの対策としては、アルコールや洗剤(界面活性剤)等の消毒薬が有効ですが、エアロゾル(マイクロ飛沫)を介した感染を想定した対策としてはマスク等の着用以外に有効策がありません。今回、プラズマクラスター技術が空気中に浮遊した状態の新型コロナウイルスを不活化することが実証されたことは、一般家庭だけでなく医療機関などの実空間で抗ウイルス効果を発揮する可能性があると期待されます”
シャープ プレスリリースより