自粛により夜型の生活リズムになる若者が増加。体重も夜型が増加傾向にあると、産学の研究チームが発表した。
早稲田大学理工学術院と、食事管理アプリ「あすけん」を提供するaskenらで構成された研究グループは、外出自粛期間中の生活リズムの変化について3万人規模のアンケート調査を行った。8月29日に開催された学会で発表され、体重の増減と睡眠時間の相関関係をはじめ若者が夜型化している傾向などが紹介された。
平日の就寝・起床時刻が遅くなり、休日同様の生活リズムに?社会的時差ボケが減少
10代から30代の若者の傾向では、平日の就寝・起床時刻が遅くなり、いわゆる夜型化していることがわかった。そして平日と休日の生活リズムの差を表す「社会的時差ボケ」も減少傾向に。特に10代の若者のデータに着目すると、平日と休日の差が自粛前の1時間に比べ、自粛後は20分まで短縮していた。ここでいう社会的時差ボケの減少は、平日・休日の関係なく夜型の生活リズムになっている人が増加していることが考えられる。
睡眠時間は全体的に増加傾向。しかし朝型は体重が減少、夜型は増加、「睡眠の質」がカギ
睡眠不足や社会的時差ボケは、概して肥満の要因と言われる。しかし研究グループは「睡眠不足や社会的時差ボケの解消というよりも、朝型―夜型の変化、それに伴う活動量、間食、睡眠の質の変化が、短期間の体重変化に繋がったと考えました」と分析。また年齢による差も無かったとしている。
体重との相関関係だが、減少している人の生活リズムは朝型、増加している人は夜型という傾向だという。さらに睡眠の質とも照らし合わせると、質が悪化している人に体重の増加傾向が見られており、「夜型かつ質の悪い睡眠」をとっている生活リズムの人が、体重増加のリスクを多く抱えていると考えられる。
外出自粛によるオンライン授業やテレワークにより、移動時間を考慮する必要がなくなった人も少なくない。若者世代の間で平日と休日の差がなくなったことにその結果が現れていると見られる。「コロナ太り」解消の第一歩として、夜型から朝型へのシフトや、睡眠の質を高める努力を始めることが有効かもしれない。
【アンケート調査概要】
アンケート実施期間:2020年5月25日〜6月1日
調査方法:「あすけん」アプリ上で、アプリ利用者を対象にアンケート調査を実施
対象者:10代から70代までの男女
有効回答数:30,275人
あすけん:https://www.asken.inc/
プレスリリース:https://www.asken.inc/news/2020/9/11/-3